人に教えるとき

私は今、あるクラスに通っています。
そこにはさまざまな年代の人がいます。


クラスのスキルはそれぞれ。
すこし勉強したことがある人、全くはじめての人。




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先生は、ほとんどはA先生。そして、たまにくるB先生の二人です。

わりと若いA先生は、時々冗談を交えながら
とても分かりやすく教えてくれます。
クラスのみんなもリラックスしていい雰囲気です。

そんなある日B先生がやって来ました。

B先生は自己紹介の時に
「この学校で一番古いのは私です。」
と言いました。どういう意味で言ったのかは
不明ですが、私はなんとなく心の中にざらざらしたものを
感じました。


授業が始まってみると、B先生は
とてもせっかちで、押しが強い。

私はだんだん息苦しくなってきました。

前の席の、全くはじめての人が
たどたどしく実習に取り組んでいると
そばに来てじっと見つめ、その人の手順が
間違っているのを見るやいなや
「そこ違うでしょ?そうじゃないでしょ。」
と、大きな声で指摘します。


彼女もわかってて正しい手順を踏もうとしてるのに
先生がワーワー言うから、慌ててしまってる。
それが後ろの席にいてよくわかってしまうのです。

その日はどっと疲れてしまいました。

翌日からはまたA先生の授業が続いたので
あっという間に一日が過ぎます。学びも深まります。


しばらく楽しい日々が続きましたが、
またB先生の担当の日がやって来てしまいました。


驚いたことに、他のみんなも私と同じような
気持ちを抱いてることがわかりました。
たった一日授業を受けただけで…。


明日はB先生が担当します、とA先生が言ったとき
クラス内が一瞬しーんとしてしまいました。(笑)


前の席の彼女はこちらを振り向いて
苦い顔をしました。
そうだよね…。私も同じ気持ちでした。


そしてその日…。


その日は試験に向けての模擬演習でした。

模擬試験の問題を一つずつ解説しながら
進めて行ってくれるのですが、B先生は
その問題についていちいち文句ばかり言うのです。


この問題は、問題自体が問題だ とか
こんなやり方、今ではやっていない とか
もっといいやり方があるから、あんまり覚えても
仕方ない とか。


私は心底がっかりしました。


B先生はたしかにその世界でのエキスパート
かもしれません。最先端の技術をお持ちなのでしょう。

でも、それは今の私たちには関係ないこと。

私たちはこの問題をきちんと解いて、試験に合格しなければ
ならないのです。今、目の前にあるこの問題を。


例えそれが、今の最先端ではなかったとしても
それを聞いて何になりましょう。
時間の無駄としか思えません。


しかもそんな話をしているから、授業時間がおして
休憩時間に食い込んでばかりいました。


私は、もし次の授業で同じような発言をされたら
意見しようかと思いましたが、幸いそうはならなかった
ので安堵しましたが…。


人に何かを教えることって
じっと待つ姿勢が大切ですよね。

説明したことを
咀嚼し、飲み込めているか。

できた!わかった!
という小さな感動が、次へのステップに
つながるのですから・・・。

A先生は待っていてくれます。
そしてできたときは「そうそう!」とほめてもくれます。
わからない人に、説明するときも
その人にだけ聞こえるような小声で説明してくれます。

リラックスして授業を受けられるって
幸せなことです。きっと学びも深まるでしょう。

B先生の時は、みんな緊張して、余計なところに気持ちが
行っているので、内容がなかなか頭に入ってきません。

こういうことに気が付かない先生は
先生の器ではないな、とさえ思います。


対照的な二人の先生は
いろいろな気づきをくれました。


とりあえずは、この勉強をひたすらがんばります。