つぶやく自由

「話し上手は聞き上手」という言葉があります。

息子がまだ高校生の時
部活に忙しく、帰りも遅いし
夜更かしはするしで
毎日遅刻ギリギリの登校。


それでも部活や勉強を頑張っている
息子を私は応援していました。

同居している義理両親、特に義母は
そんな孫の生活をはらはらしながら
見守っていたようです。

ある日のこと。

息子が学校から帰ってくるなり
玄関に倒れこみ
「あーーー疲れた!!」
といいました。

そばの台所では私と娘、義母が
お茶を飲んでいました。

息子の様子を見た義母は開口一番
「そんなに疲れるならな、夜はさっさと寝るんだよ!」
と言ったのです。

息子はむっとして
「そんなこと、言われなくてもわかってるよ!!」
と声を荒らげ、カバンをつかんで部屋に行ってしまいました。

娘は義母に
「ばあばは、○○くんじゃないんだからさあ・・・」と言い
私は
「あんまり頭ごなしに言うと、何も話してくれなくなりますよ?」
と言いました。

すると義母は明らかに嫌悪の表情に。

そこへ、部屋に行って少し頭を冷やした息子が
入ってきました。

息子は「ばあばさっきはごめんね。大きな声出して。」
と言ったのに義母は
「ばあばはね、もうあんたたちに何にも言わないほうがいいんだってさ!」
と言うと、台所からいなくなってしまいました。
まあ、キレてしまったのですね。

ああやれやれ。
その日はなんとなく重たい空気のまま
終わりました。

その週末、本当に偶然
義母と二人でお茶を飲む機会がありました。

うちはわりと、いやな雰囲気はひきずらないのですが
先日のことを腹に据えかねていた義母が
「この前はあんなこと言われてすごく気分が悪かったわ。」
と言ってきたので、これはちゃんと話しておかないと、と思いました。

例えば、会社に行くのが嫌だなあ、とか思っても
行かなければならないことを私たちは知っています。

だから「行きたくないなぁ」と言いつつも、
会社に行きますよね。

でも家に帰ってきたら、外であったいろんなことを
吐き出して、着ていた鎧を脱いで、リラックスする。
それが家というものだと私は思います。

こんなことがあってさあ・・・
そう、大変だったね・・・

そんな会話ができるのが家。家族。

お義母さんは、そんな「つぶやく自由」まで
とりあげるのですか?

早く寝ないといけないなんて、
言われなくてもわかってる。
家について気が緩んだから
「あー疲れた!」ってただ言いたかっただけ。

だからそんな時はまず、その気持ちを
受け止めてほしい。
ああ、お疲れ様。頑張ってきたんだねぇ、って!

何か言うたびに、こうしたらいいああしたらいいと
解決策を提案してくれるのは
ありがたいことだけど、共感なしに提案されても、
否定されてるとしか感じません。

せっかく本人のことを思って言ってくれてるのに
その優しい気持ちは空回りしていますよ。
むしろ反感買っているともいえる。
とてももったいないことです。

(現に、義母の前では子供たちは警戒して
あまり話さなくなっていましたから。
話をしてもすぐ否定から入るので
義母は煙たい存在になりつつあったのです。)



ついでに言うと
義母は人の話を最後まで聞かず
自分の話にすり替えるという得意技を
持っています。
その話は、またの機会に・・。


で、私はこの家が「家=ホーム」であるために
子どもたちがつぶやくことにいちいち反応しないで
まずは受け止めて欲しいと言いました。

義母は悪気は全くないので
良くなるように助言することが
なぜ悪いのか?という感じでした。

結局最後までわかってもらえず
じゃあ今後一切孫のことには口出ししません!
と、またご機嫌斜めになる始末。
あーあこれじゃあぜんぜんだめだ。


夕飯の後、両親が別室に移動したので
夫と子供に昼間義母と話したことを
話しました。


今後一切口出ししないと言ってたよ・・・。


すると夫は高笑いして言いました。
「あのばあばが、そんなことできるわけないよ!
明日になってみ?そんなこと忘れてまた何か言ってくるから!」

さすがあなたはあの方の息子。
よくわかっていらっしゃる。


義母は何事もなかったかのように
翌日からまたやいやい言い出しました。

意を決して言った私ったら。(笑)

義母が親戚から「不沈空母」「無敵艦隊」と
言われる理由がよくわかりました。

今日もお読みいただきありがとうございました。






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