子供の頃の話

私の実家は商売をしていました。

近所はちょっとした商店街のような感じで
何軒か商店が軒を連ねていました。


おとなりは、駄菓子屋さんで
学校が終わると、いつも子供たちで
賑わっていました。


私は小学校の頃の
記憶があまりありません。

思い出したくないのかもしれません。


でも、名前も、顔もはっきりと
覚えている子がいます。


私はその子に嫌なことを言われてきたから。


「おまえんち、全然売れない店な!」
と、よくその子は私に言いました。


確かに、いつも子供たちがたくさんいる
駄菓子屋さんとは違いました。


今なら、売り物の単価が違うんだよ
と、言ってやればよかったなーなんて
思いますが、当時の私は何も言い返せませんでした。


私は、自分を通して私の両親を
侮辱されたことが、とても悔しかったのですね。
両親は、真面目にお店をやっていましたから。


あの子は、そんなこともうとっくに忘れて
いるんだろうな。


何故か時々思い出してしまうのです。


思い出の中の風景に入っていって、
そのときの私をぎゅっと、抱き締めてあげたいな。
「あんなこと言われて、いやだったね。」って。


ちょっぴり寂しい思い出の話でした。


今日もお読みいただき、ありがとうございます。